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黒い食器棚からお皿を二枚取り出して、適当に盛り付ければ出来上がりだ。
後は刻んだ野菜をドレッシングで和えたコールスロー。これだけで、充分だろう。
「満希ー。出来たから取りに来てーっ。」
こっから先は、満希の仕事。あたしはただ作るだけ。
「さすが、優恵香っ。料理だけは早いな。…ってカレーかよ。」
何よ。カレーの何が悪いわけ?
気まずそうなな顔をする満希を軽く睨んで見せれば、彼は苦笑いを浮かべる。
「…俺、昼もカレー…。」
知りません…っ!満希が昼に何を食べたかまで考えてらんないっつうのよ。
「…文句をゆうなら?」
あたしがそう言えば、満希は背筋をピシッと伸ばして笑顔で食べ始めた。
「いやぁ。優恵香のカレーは、天下一品だよっ!うんうん。」
「解ればよろしい。」
何より、料理の出来ない彼にはそれしかないのだ。
「お前、明日から学校だろ?全部揃ってんの?」
口へ運ぶスプーンを一度止めて、満希はあたしに視線を向けた。
満希は、若くは見えるけどもう成人している。24歳の満希と17歳のあたしは7つ違いだ。
「ん。大丈夫。制服とかは満希がやってくれたし。教材とかは明日学校で貰う。」
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