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あたしの目の前で、同じ事を繰り返す兄の姿。
「本当に送ってかなくていいのか?お前はすぐに喧嘩売るから…ー。」
「うるさいっ。大丈夫だって言ったら大丈夫なの。満希は仕事でしょ?」
朝から、このやりとりを何回すればいいのだろう。
本当に過保護にも限度ってあると思う。満希まで来ると異常とも思う。
「帰りは迎えに行くから。終わったら連絡しろよ?」
はぁ。迎えに来られたら無駄に目立つじゃない。
見たかった世界に近付けるかもしれないというのに。満希がいたら、それも出来ないっつうの。
「あたしの高校生活を邪魔したいの?」
溜め息混じりに呟くあたし。
2つの大きな暴走族…ー。もしかしたら、同じ高校にいるかもしれないのに。
一緒にいたいなんて思わない。だけど、あたしは知りたい。
羽耶ちゃんが見ていた世界を…ー。
「…それを言うなよ。何も言えなくなるじゃねえか。でも喧嘩も売ったり買ったりするな。約束してけ。」
満希の顔は怒ってる。…いや、拗ねている様だ。
本当にこのお兄さまは…ー。
「いい加減に妹離れしないと、彼女も出来ないよ?」
妹としては、兄の行く末が心配なわけで…。
そんなあたしの心情なんて解らないと言った様子で、いまだに拗ねている。
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