668人が本棚に入れています
本棚に追加
そんな満希は、とりあえず放置してあたしは支度を始める。
クローゼットに掛けられた真新しい制服。上は紺色で赤と緑のチェックのリボン。
スカートもリボンとお揃いでチェックでとても可愛らしい。
今日から、あたしはこの制服で学校へ通うのだ。
長いストレートの茶色の髪を整えて、薄くナチュラルな化粧を施す。
「へへっ。これ、つけてみたかったんだよねーっ。」
机の上にある眼鏡をかけたら完成だ。
あたしったら、めっちゃ知的に見えるじゃんっ!
大きな鏡の前で回ってみれば、我ながら可愛く出来た。
せっかくの大きな目に白い肌。
最大限に生かさなきゃ駄目だよねっ。
美形に生まれてきた事に感謝しなきゃ。
時計を見れば、丁度いい時間になっていた。
鞄を手に取り、満希から貰った合い鍵を中に入れて、自分の部屋から出る。
玄関に向かえば、いつの間にかに会社に向かう満希の姿。
「はー…。お前さ?それわざとだろ。」
スーツ姿の満希はわざとらしくおでこに手を当てて、溜め息を吐いてみせる。
「知的な優恵香ちゃんも可愛いでしょ?」
腰に手を当てて、満希に精一杯の笑顔を向ける。
「…もう少しでいいから謙虚にしてくれ…。」
最初のコメントを投稿しよう!