668人が本棚に入れています
本棚に追加
ふふーんだ。謙虚になんて出来るわけないじゃないっ。
女は多少は図太く生きるんです!
「満希も気をつけてねっ。行ってきまーすっ!」
あたしとは反対へ向かう満希に両手を大きく手を振る。
そんなあたしに満希は優しく笑って、軽く手を上げ答えてくれる。
こんな当たり前の生活が、とても幸せなんだと思った。
人はあたしの過去を知れば、可哀想とか同情するだろう。
でも、あたしは今はとても幸せなのだ。
満希がいて、一緒に笑ってくれる。あたしを傷つけるものはどこにもないのだから。
そんな事を考えながら、あたしは軽い足取りで学校へ向かう。
制服を身に纏った同じ年位の高校生に、これから仕事へ向かうサラリーマン風の人達。
たくさんの人と擦れ違いながら、あたしは学校へ向かう。
『わ…。可愛い…っ。顔小さいっ…ー。』
あたしを指差して、友達と会話をして通り過ぎる女子高生達。
誉められるのは嫌じゃないけども、指を指すってどうなの?
まあ、それも今のあたしには適度にいい刺激になる。
最初のコメントを投稿しよう!