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学校まではマンションからはそれ程遠くない。
マンションを出て、すぐに自販機がありその隣にはコンビニが見えた。
前いた街は、コンビニまでも遠かったからね。
何かと便利かもしれない。ほら、満希をパシりに使えるし?
そんなこんな考えてる間に見えて来たのはあたしが通う学校。
「…羽山高等学校…か。」
名前の割には大きな高校で、古い見た目の割には洒落ている。
校門をくぐり抜けて、真っ直ぐに歩く。
登校時間のせいか、たくさんの生徒たちからの視線が痛い程に刺さる。
見慣れない顔が珍しいのは解る。見られるのは慣れてるとはいえ、ここまで見られるのもいい気分ではない。
ふー…。満希から言われたっけ。あたしはすぐに喧嘩を売るって。
どちらかといえば、あたしは気の強い部類に入ると思う。
我慢…我慢…ってさ。何を健気に言い付けを守ってるの。あたし。
「…。」
周りを見渡して見れば、その視線は一斉に逸らされる。
その行動が更に、あたしをいらつかせるんだよね。
でも、今はそんな事よりも、職員室へ向かう事が先だ。
こんなんでイライラしてたら、平和な学校生活を送れなくなるからね。
でもね?あからさまな視線やわざとらしい行動には苛立つものだ。
「あれ?君、この間の猫ちゃんじゃん。」
そのうっすらと聞き覚えのある声に振り向いたのはただの気紛れだった。
「…あなた…ー。」
あの繁華街でみた、感じの悪い男の隣にいた童顔君がそこにはいた。
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