懐かしい再会

15/15
前へ
/655ページ
次へ
泣きじゃくるあたしを見て、月君は何を思ったのだろう。 どうして優しく、抱き締めてくれるの? でも、月君の胸の中は変に安心して、あたしは子供の様に泣きじゃくってた。 「…あーあ。俺、満希に殴られそ…。」 そんな月君の声に顔を上げて、見上げる形になったあたしを月君は無理矢理、胸に押し付ける。 うっ…。ちょっと苦しいかも。 「ゆっ月君…っ!」 息苦しくて、月君の胸を叩いてみるが放してくれる様子はない。 「ちょっと待って…。今、俺の顔見ないで。」 余裕のない月君の声に、無理矢理に顔をあげると…ー。 顔を真っ赤にしている月君の顔があった。 「ちょっとっ…!マジで見ないでって!あーっ!満希に殴られる…。」 …満希は関係ないと思うんだけど…。 いつの間にかにあたしの涙は引いていて、あたしは笑ってしまった。 「あははっ。月君たら、猿みたいだよ?」 本当に猿みたいに真っ赤な顔で焦ってる月君が、可愛く見えてしまった。
/655ページ

最初のコメントを投稿しよう!

668人が本棚に入れています
本棚に追加