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泣きじゃくるあたしを見て、月君は何を思ったのだろう。
どうして優しく、抱き締めてくれるの?
でも、月君の胸の中は変に安心して、あたしは子供の様に泣きじゃくってた。
「…あーあ。俺、満希に殴られそ…。」
そんな月君の声に顔を上げて、見上げる形になったあたしを月君は無理矢理、胸に押し付ける。
うっ…。ちょっと苦しいかも。
「ゆっ月君…っ!」
息苦しくて、月君の胸を叩いてみるが放してくれる様子はない。
「ちょっと待って…。今、俺の顔見ないで。」
余裕のない月君の声に、無理矢理に顔をあげると…ー。
顔を真っ赤にしている月君の顔があった。
「ちょっとっ…!マジで見ないでって!あーっ!満希に殴られる…。」
…満希は関係ないと思うんだけど…。
いつの間にかにあたしの涙は引いていて、あたしは笑ってしまった。
「あははっ。月君たら、猿みたいだよ?」
本当に猿みたいに真っ赤な顔で焦ってる月君が、可愛く見えてしまった。
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