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「ふー…。優恵香ちゃん。心臓に悪いから、そうゆう行動はもうやめてね?」
少しだけ落ち着きを取り戻したらしい月君が机に座りながら口を開いた。
「どんな行動?月君、あたしより年上じゃん。」
そんな悪態をつけるあたしも、落ち着いてきたらしい。
「…俺、一応は理事長なんどけどなあ。」
理事長らしくないとは言わないであげるあたしって優しいよね。
そんなあたしを、月君は恨めしそうな顔で見る。
「顔に書いてあるよ。どうせ、俺は理事長らしくないさ。笑えばいいさっ。」
なんだろう。以前の月君よりも、幼く感じる。それに、人間らしくなった気がする。
「そんな事ないって言った方がいい?…あたし、思ったんだけどさ。月君のせいで遅刻じゃない?」
随分と長い時間話し込んでしまっていたらしい。
理事長室の時計を見れば、もうお昼近くを指している。
「はははっ。大丈夫だよ。ほら、俺が理事長だから。優恵香ちゃんも平気。」
そんな理不尽極まりない事を平然と言う月君を軽く睨んだのは言うまでもないだろう。
そんなあたしを軽く笑いながら、立ち上がった月君はティーポットを持ち、再びソファに腰をおろした。
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