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苦笑い気味に、あたしにそう説明を加える。
そんな月君の行動を見て為か、桐ヶ谷先生…言いたくないけど。
でも、一応は先生だから言わなくちゃね。
桐ヶ谷先生は、困った様に微笑んだ。
…この人って、こんなに優しく笑うんだ。なんだろ?明らかに月君や満希とは違うタイプだ。
二人は、何も言わなけば優しく見えるだろうし近寄り難い印象もない。
桐ヶ谷先生は青みがかった髪に冷たさ、威圧感すら感じるその独特な雰囲気で、近寄り難い印象を受ける。
所謂、ギャップ萌えとかいうやつなのだろうか。
「気を悪くしたなら、すまない。その…。あまりにも整い過ぎてて…。俺、動物とか好きで…。」
必死に、あたしに向かって弁明をする桐ヶ谷先生はなんだか不思議だった。
「本当に、眞尋は口下手だよね。こいつさ、可愛い子とか見るとすぐに、動物扱いすんの。」
月君はこの桐ヶ谷先生について詳しいらしい。
「まっ、要するにはだ。優恵香ちゃんが可愛いから、眞尋は戸惑ったって事さ。だろ?」
そう言って、月君は肘で桐ヶ谷先生をつついてみせる。
「ちなみに、こいつは俺の従兄弟。不器用な奴だけど、悪い奴じゃないから。」
それを聞いて、妙に納得出来るあたしがいた。
普通に考えて、理事長を名前で呼んだりなんて常識的な教師なら有り得ない。
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