不思議なブレスレット

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丸く白い石もとても可愛い。銀色にすごく合ってるし。 …でも、どうしてあたしに? 疑問に思ってあたしは月君を見上げて口を開こうとしたが、言葉を話す前に月君が話し出す。 「それは、優恵香ちゃんを守ってくれる物。……眞尋。」 あたしの頭の上に、置いた手はすぐに放されて、月君は窓側に視線を向ける。 その目はどこか険しく見える。だからなのだろうか。 桐ヶ谷先生が月君の視線の方向を見るなり、理事長室から勢いよく出て行ったのは…ー。 「ね…ねえ。月君…?もし…かして…ー。」 あたしの脳裏を過ぎる一人の名前。 きっとあたしは、情けない顔をしていると思う。 強くなるって決めたのに…。あたしの決意なんて一瞬で揺らがせるのだ。 「大丈夫。何も気にする事はない。そのブレスレットがある限り、優恵香ちゃんは大丈夫だから。」 …このブレスレットが?ただのアクセサリーに何の力があるというのだろう。 だけど、その時の月君の目は強い意志が込められている様に見えた。 あたしの目には、ただのブレスレットにしか見えないんだけど…。
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