不思議なブレスレット

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その日、桐ヶ谷先生は理事長には戻っては来なかった。 そして、満希のお叱りをしっかり受けているあたし。 目の前には不機嫌そうな満希の顔があり、あたしは現在進行系で正座させられている。 「みっみき…。心配かけたのは解るけど…ー。」 そんなに怒らなくてもいいと思う。 「ん?お前の腕についてん…の…ってそれ…!」 あたしの右手首に視線を向けたまま、逸らそうともしない満希。 そんな満希の視線が気になり、あたしもブレスレットに目を向ける。 白い石は月みたいで、本当に綺麗だと思う。 「…これに何か意味があるの?月君は、あたしを守るブレスレットだって言ってた。」 そう。彼は真剣な眼差しで確かにそう言った。 だから、あたしも自然と家に帰っても外す気にはなれなかったのかもしれない。 ずっと無言でいる満希に目をむけるあたし。
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