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「そう?ありがとっ。」
誉められて、嫌な気分になる人間なんている?
誰だって、誉められたら嬉しいに決まってるじゃない。
それに、あたしは女だもん。無駄に抵抗して、男達の自尊心を傷つけて勝てるなんて思ってない。
利口に生きていかなきゃ、結局傷つくのは自分自身。これは、ここ数年であたしが学んだ事。
「へー。君って変わってるね。普通は、そんな事ないとか言うでしょっ。」
あたしの前にいる茶髪の男は楽しそうに笑っているが、隣にいる男は、警戒心丸出しにあたしを睨みつけている。
ふーん…。こいつ、あたしと同類?
「おい…。大成。そんな女なんかどうでもいいだろ。」
どうやら、茶髪の男は大成という名前らしい。人懐っこい笑みが似合う彼にはお似合いかもね。
「はいはい。そうですねーっ。お前は、女に興味ないもんなー?んーっ。じゃっ、俺達行くねっ。猫ちゃんっ。」
そう言って、茶髪の大成とゆう彼と感じの悪い黒髪の男は、去っていく。
ん?そもそも、声かけられたのってあたしじゃない?
…からかわれた系か。二度と会う事もないのだから、気にしないけどね。
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