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だって、満希もあたしと同じだから。
「ほら。早く帰るぞ。それから、これからは勝手にでるんじゃないぞ。」
そう言って、あたしの手を引いて歩き始める彼。
満希は、かなり美形に入ると思う。お世辞にも真面目には見えない彼。
クリーム色に近い状態の金髪。左耳には綺麗に並べてはめられてるたくさんのピアス。
そんな彼は、あたしのヒーローだ。いつも、どんな時も満希だけは味方でいてくれる。
どうしようもないあたしを見ても、きっと優しく包んでくれる。
「たまにはお兄ちゃんの言う事、ちゃんと聞いてあげてもいいよっ。」
だって、彼はあたしの身内だ。血の繋がった兄。
あたしを救い出してくれた兄だから。
「妹なら妹らしくしてろよっ。…ったく…。」
ふふっ。そんな事を言いながら笑う満希はとても優しく見えるんだ。
「満希はお兄ちゃんらしくないじゃん。たまには兄らしくしたら?」
憎まれ口を叩くあたしも、可愛いだけの妹にはなれないらしい。
あたしと満希の絆は固い。周りが変わっていく中でただ一人だけ、味方でいてくれた人だから。
こんなあたしでも、満希だけは守りたいと思うんだ。
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