サイドストーリー 千咲編

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 大呀と別れた後、どことなく小走りで商店街へ向かう千咲 暑さには強いほうで逆に冬はこれでもかと着込むほど寒がり 「♪~♪~♪~あるい~みネギトロ♪」 鼻歌を口ずさみながら商店街を歩く 「おお千咲ちゃ~ん!暑いなか元気だね~!どうだい?いいの入ってるよ~!」 魚屋の威勢のいいおじさん 「あら~!千咲ちゃんじゃないかい!今日も買い出しかい?偉いね~ほれ、これもってきな!」 「えっあ……ありがとうございます!」 いつも元気な八百屋のおばちゃん 通りかかる度に声を掛けてくる商店街のみんな もう完全に千咲は商店街の常連だった 世間話をしたり商品を手に取るとすぐ金額をまけてくれる 後は~そうそう蜜柑蜜柑、あいつ(大呀)の場合そのままの蜜柑じゃなくて蜜柑の缶詰めなのよね~ 実はこの商店街 スーパーとも契約していて専門店に置いてある商品は仕入れず、専門店に置いてない物を置いてある なので食材ならば揃わないことはまずない。 学校の生徒もまばらに歩いており、同級生の女子達に遊びや合コンに誘われるが丁重に断る 「え~っと……ああいたいた!」 千咲が探していたのはとある女性の集団 ママさん達が集まって立ち話をしている 私は勝手にママさん情報センターと呼んでいる 「こんにちは~!」「あら~千咲ちゃ~ん!」「ひさしぶり~!」「お久しぶりです~」 挨拶を交わしながら話の輪に溶け込むように加わる ここで何処の店が割引していたとか何処のスーパーが何時から半額になるかなどを聞き今後の買い物に役立てる しかしただ聞くだけでは駄目 こちらも仕入れた情報を出しながら情報を貰う give-and-take 「あ、そろそろ晩御飯の支度があるので……これで…」「あら、そう~ホント頑張るのね」「うちの娘にも見習って補しいわ~」「ハハハ!では失礼します!」「またね~!」 手を振りながら、商店街を出ようと 「君かわいいね~ね、今から俺らとお茶しね?」 二人のチャラ男、またナンパか 「いいえ、結構です。」 すり抜けようとするが行く手を阻むように立ち塞がる二人 「待ってよ~」「行こうぜ~?」 はぁ~うざったい 「あんたらに興味ないんで」 「あん?手出さねーと思って調子乗りやがって!」 ……しょうがない
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