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「んもう何処行ったのよ~!家で大人しくしてなさいって言ったのに~!」
一階に降りてリビングに入る。
そのまま台所に入り冷蔵庫に食材を入れておく
「ホント世話の焼ける~」
道場にも行き、部屋のあちこちを探し回って再度大呀の部屋に
ベッドに座りそのまま寝っ転がる。
「あ……大呀の匂い…」
いつもの嗅ぎ慣れた匂いだが、こうやってすんすん嗅いでいると何だか落ち着く
「ヤバい……これはヤミつきになる……」
己を律するように両頬をパチパチと叩き、部屋を出る。
手当たり次第に大呀の行きそうな場所を捜そう
玄関を出て鍵を掛ける
「まずは……」
本屋に立ち寄る……見当たらない
ゲームセンター………やはりいない
おっかしいな~…
あの重度の面倒くさがりはまず一人で街を出たりしないし……
「お~い、千咲~!」
ん?
振り返るとクラスメイトでの仲のいい女子達
「ああ、みんな…」
「あのさあのさ!えっとえっと大呀君みたんだけどね?あのねあのね!」
ちょっと慌ててる様子だ
「落ち着いて落ち着いて、ゆっくりでいいから。で、大呀何処でみたの?」
「信じられないかも知れないけど……」
どんな些細な情報でもいい……早く大呀を
「あたし達ねぇ…ちょうど千咲と大呀君が歩いてるを発見してさ…いつも仲良しでカップルみたい~とかって話てたの……そしたら千咲が商店街のほうに行って、大呀君が角を曲がったの………そしたらさあ‥…」
怖がるように次の言葉を紡ぐ
「………………消えたの」
………………………え?
…………………消えた?
「き…消えた……?」
「う、うん‥…なんかね……説明し辛いんだけど~……大呀君が角を曲がった瞬間、視界がぐにゃぐにゃになって……ピカッて光ったと思ったら………もう消えてた……」
「…………ぐにゃぐにゃ…?光っ……た?」
頭がこんがらがる……消えた?消えた?
……………いなくなった……………ってこと?
「……千咲?」
「……………うん?」
「…泣かないで?」
「………え?」
頬に熱い何かが伝う感触
拭うと頬が濡れていたらしい
視界が潤んでくる
「あ……れ……?……止まんない……」
ボロボロと目から零れ落ちる水滴
大呀が私の前から消えた
大呀が……大呀………大呀……
「………い…いや‥…」
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