……面白え…面白えじゃねーか!!

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 どうすっかな~ 今何時くらいか分からんし、太陽の傾きから特定しようと思ったが 東から昇って西に沈むのは北半球の(北極圏以外)常識であるがこの異世界かつ、北か南かわからないこの場所は違う。 ではどうするか マニュアルを開く 重てぇ~ 現在地に関することは書いていない だがこの世界の惑星も太陽系を公転し自転もしているようだ 傾き回転速度も地球と同じらしい “パタン‥と閉じる ここは森林 何がある…考えろ 木……… 「木だ。まず切り株を捜そう」 森を歩く 木々の間を抜けて邪魔な枝を掻き分ける ずっと街中で暮らしていたので森の中というのは新鮮だ 土を踏みしめる感触 アスファルト舗装みたいに固くなくふわっとしている 落ち葉を踏み 枝を踏む 羽ばたく音が遠くで聞こえ 風が木の葉を揺らす 土の匂い、草の匂い、車の喧騒も無い      静かな空間  だが何か森には相応しくない匂いがする 鼻をつくような ツンとくる 鉄の匂い 匂いのする方へ自然と脚が赴く 鉄 違う 鉄に似た 鉄が入った 俺は知っているこの匂いを 喧嘩して 殴って 蹴って 相手の口や鼻から噴き出る 「な………んだよ……これ……」 赤く 紅く 朱い 真紅 血痕 血溜まり 無数の……………屍 皆、兵士だったのだろうか 鎧、甲冑などの防具を身に纏い 片腕がない者 片脚がない者 仰向け 俯せ 木に寄りかかる者 凄惨な光景だ 兵として誇りがあったのだろう 武器を固く握った手 何か俺は立ち止まってはいけない気がした 理由は分からない 勝手に脚は死体の隙間を縫うように動いていく 奥へ奥へと進むと ぽっかり空いた空間 巨大な大岩 そこに寄りかかり座って眠っているかの様な死体 その死体の足元 深々と地面に突き刺さる 刃の幅だけでも肩幅くらいはある 巨大な  大剣 吸い寄せれる脚 手が柄へ伸び 「貴様!!ここで何をしている!!?」 後ろから掛かる女性の声 「えっ?」 柄を掴む カアアアアッ 眩いばかりの光を放つ刀身が辺りを照らす 思わず目を細め顔を空いてる手で光を遮った
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