444人が本棚に入れています
本棚に追加
「おう、坊主たち。いちゃいちゃするのはいいが、中まで丸聞こえだぞ?
さっさと依頼に行きやがれ。馬鹿野郎。日が暮れちまう」
ガルバンさんが、ギルドのドアを少し開けて、俺達の会話をぶったぎってくれた。
「いや、いちゃいちゃしていたわけじゃあ……」
弁解するが、聞き入れてもらえない。
「色恋沙汰もな、人生には必要だ。
だけど、冒険者であるからにはオンとオフの切り換えは、しっかりとな。
今は与えられた依頼をこなす。そこをきっちりとわきまえろ。
人生は長いんだ。焦って答えを出す必要もねえんだぜ?」
ガルバンさんに冒険者としての心構えと、人生について――特に恋愛?――の教えをいただきました。
俺達は、ガルバンさんにケツを叩かれて、依頼に出発した。
そうだな。芙亜のことも、アリシアの事も、焦る必要はないんだ。
じっくり……、考えよう。
一歩一歩を確実に。今過ごすこの時を、大切に踏みしめながら。
最初のコメントを投稿しよう!