ステップ ~ 道拓きし者たち

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「おう、坊主たち。いちゃいちゃするのはいいが、中まで丸聞こえだぞ?  さっさと依頼に行きやがれ。馬鹿野郎。日が暮れちまう」  ガルバンさんが、ギルドのドアを少し開けて、俺達の会話をぶったぎってくれた。 「いや、いちゃいちゃしていたわけじゃあ……」  弁解するが、聞き入れてもらえない。 「色恋沙汰もな、人生には必要だ。  だけど、冒険者であるからにはオンとオフの切り換えは、しっかりとな。  今は与えられた依頼をこなす。そこをきっちりとわきまえろ。  人生は長いんだ。焦って答えを出す必要もねえんだぜ?」  ガルバンさんに冒険者としての心構えと、人生について――特に恋愛?――の教えをいただきました。  俺達は、ガルバンさんにケツを叩かれて、依頼に出発した。  そうだな。芙亜のことも、アリシアの事も、焦る必要はないんだ。  じっくり……、考えよう。  一歩一歩を確実に。今過ごすこの時を、大切に踏みしめながら。
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