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ようやく目的地の姿が目視出来るところまできた時には、既に陽が傾いて地平線に姿を隠し始めていた。
周囲を巨大な木造の外壁に囲まれた都市--皇都。
皇王と呼ばれる人物(厳密に言えば人物ではなく役職名なのだが)が治める都市で、この国で二番目の大きさを誇る大都市である。
奥行きはここからでは見ることは敵わないが、外壁の端が霞んで見えない事からもこの都市の広大さが窺える。
また、皇都の姿が見え始めたあたりから急に人の往来が増えたように感じた。往来とは言っても、その殆どは皇都に向かっていく人ばかりで離れていく人はあまり見受けられない。
皇都は別名"商都"とも呼ばれ、国内外・種族を問わず様々な文化を積極的に取り入れている。その為か皇都には様々な文化が入り混じり、文化の中心点になっているとも聞く。
文化の集まる場所に人が集まるのは当然の帰結であり、故にこの人の往来にも納得はいく。
(しかし、この荷物の多さはなんだ?)
皇都へ向かう人々はたいてい荷車をひいており、それ以外の人々もとても旅をしているとは思えぬ程の大荷物ばかり。
それはまるで家財を全て持って皇都へと移ってきたかのような--
(まぁ、関係ないか)
関所が見えたので、摩利は思考をそこで中断して入都の手続きを受けるための列に並んだ。
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