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濃い霧が晴れるかのように、広がっていく温もり。
「……ば、馬鹿じゃないの……。
……もう、無理なんだよ……」
「無理じゃないよ!」
期待と諦め。
生きたいと願う気持ちと、得体の知れない何かが迫り来る脅威。
「……殺されるの……」
「私が護るから……」
里美の瞳から余命宣告を受けた患者のように、ボロボロと涙が流れ落ちる。
「……無理だよ……だって、死んでるんだよ……?
拓馬も将之も祐介も、ネオこっくりさんをやった人は皆……死んで――」
「――それでも私が、絶対に里美のことを護るから――っ!!」
突き刺さる。
里美の心に、茜の優しさが。
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