ACT-6

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「体が、動かないや……」 ぴんと張り詰めた糸が緩み、一気に広がった安堵のせいか、歩くことが出来ない茜。 里美の元へ一歩足を踏み出そうとしても、体が言うことを利かない。 そのままぺたりと地面に尻餅を付き、今後は笑顔で里美に助けを求める。 「……もう、しょうがないな。あんたって子は」 里美の脚が一歩前へ進み、茜との距離が縮まっていく。 「えへへ、腰が抜けちゃった……」 「……無理し過ぎなんだよ。 結局私が護ってあげなきゃじゃん。 でも茜、ありがゴフッ――」 その瞬間、 赤信号を猛烈な勢いで突進してきた大型トラックが、 里美の右半身に激突した。
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