ACT-6

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うつ伏せになったまま白目を剥き、ピクリとも動かない里美。 脇腹辺りからありえない角度でくの字に折れ曲がり、 皮膚を突き破った肋骨は砕け、幾つかの塊となり地面に転がっていた。 瞬く間に辺り一面が血の海と化していく。 当然、彼女の口から痛みなど聞こえては来ない。 既に呼吸が止まり、心臓が止まり、 彼女が刻んできた時間さえも止まってしまっている。
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