2017人が本棚に入れています
本棚に追加
/281ページ
凛とした振る舞いで的確な思いを伝えていく。
小さな画面を食い入るように見つめ、頷く七瀬。
「この人の言う通りだわ。
こんな自殺や事故、繰り返しちゃいけない」
その時、耳に白いイヤホンを着けたまま、ぼうっとした眼差しで窓の外を眺めるハルトが不意の言葉を漏らした。
「自殺、ね……」
ひっかかる理由が何処にあるのか。
七瀬ははっきりとした口調で自らの意思を主張する。
「はい。
どう考えてもそうじゃないですか。
それより茜さんのお兄さんとの賭け、感情的になって受けていましたが一体どうするつもりなんですか?
拳銃で頭なんて撃って死なれても困りますよ」
「感情的? 誰がだ?」
心底疑問を抱いたような反応が車内に反響した。
「あなたがですよ。
100%勝ち目が無いじゃないですか!
これは事故です。
そして三浦さんと吉澤さんは自殺したんです!」
「自殺なんてしていないさ」
最初のコメントを投稿しよう!