2019人が本棚に入れています
本棚に追加
/281ページ
「どうしてもこうしてもありませんよ。
殺人である理由が何処にも見当たりません!
それに吉澤祐介さんの自宅は玄関に鍵が掛かっていたんですよ。
地下であの部屋には窓がありません。
完全な密室です。
それでも殺人だと言い張るんですか!?」
「ああ」
密室殺人。
そんなことが現実に起こり得るのか。
七瀬の瞳が、更にそのサイズを広げていく。
「そ、そんなの、賭けに負けたくないからって、根拠もなく無理矢理こじつけているだけです!
じゃあ犯人は?
犯人は一体誰なんですか?」
「昼間渡した紙の調査結果はいつ出る?」
七瀬の問いかけにも、さらりと話をすり返るハルト。
「……明日の昼には出ると思いますが」
「そうか」
そう言ってポケットからもう一枚の紙を取り出した。
「ついでにこれも調べさせろ」
手渡された紙を見て、疑問を浮かべる七瀬。
「ガスの種類と茜さんの自宅と受信メール?
ど、どういうことですか?」
最初のコメントを投稿しよう!