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様々な種族が多様に暮らす世界。
その昔、魔王と呼ばれる程強い魔族が現れ、そいつは世界を自分の物にしようとしたらしい。
その時、その魔族に従う勢力と彼を食い止めんとした反対勢力との間で起きた戦争が百年戦争で、その戦争は最終的に竜族の裏切りで反対勢力が勝利した。
百年戦争は多くの種族の血が流れたが、同時に種族間の文化交流、技術の発達、それによる組織の形成等が起き、革命が起きたのもまた事実だ。
その戦争からおよそ五百年、なんか魔王の再来と恐れられる程強い魔族が誕生したらしく、再び騒がしくなっているのが今の世界だ。
そんな中、とある寒村へと続く道にて。
「失礼、屈強な傭兵様方、薬草などいかがでしょう?今ならまとめ買いでお安くしますが」
白い息を吐きながら道を進む傭兵達に声をかける一人の男。
「商人、毛布はないか?生憎ここまで寒いとは知らず、毛布が足りんのだ……」
傭兵達の中から、古参の傭兵らしい初老の傭兵が反応を示してきた。
この部隊の指揮官なのか、背後に二人の傭兵を従えている。
「毛布ですか?それなら熊の毛皮が十枚ありますが」
「全て頂こう」
事前に備えておいた商品をここぞとばかりに売り込むと、予想通りの答えが返ってきて、内心ほくそ笑む。
「かしこまりました。少々お待ちください」
「うむ」
当然表は人の良さそうな笑顔を浮かべたまま頭を下げると、長は満足そうに返事をした。
再び起こると予測されている戦争で、名を残さんと多くの戦士が西へと向かう中。
俺はその一つの山道で商売を行っていた。
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