はい?

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「無理。」 キッパリと、否定の言葉を一言。 ついでに、思いっ切り睨み付けてやる。 「やってもみない内から、それはないでしょ。」 挑戦的な目で見て来る男に、更に怒りが増してくる。 「無理だよ。俺はホモじゃないので。」 「俺はホモですよ。」 知ってるんだよ、それは! 苛立ちがピークに来た俺は、一歩男の前へ近付いた。 身長差? そんなもの気にしない。 これ以上この会話を続けるようなら、一発ぶん殴ってやる。 右手の拳をぎゅっと握り締め、俺は真っ直ぐに男の顔を見上げた。 「あのさ、ちょっとしつこいんですけど。いい加減にしないと……、」 ちゅ。 ……………………… ……………… 唇、が。 唇に、何か。 得体の知れないものが、触れた、ような気が。 「ね?キスだって普通に出来るでしょ?」 男の言葉で、止まっていた時が一気に動き始める。 しかも、物凄いスピードで。 は? はあ?? 今起きた出来事を、もう一度頭の中で確認………… せんでも、唇に残った感触で分かるわ!! そう、 こいつは、もう 「ーーーーーーーー……………………………コロス。」 マジで。 へらっと笑う男の左頬に、思い切り拳を叩き付けてやった。
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