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プロローグ
暗い部屋の中。パソコンの画面だけが青白く光っている。
「我ながら完璧な計画……。今に見てろ、桜井真由!」
そう言って、笑った。
第一章 事件が始まる
「この時期から準備するの?」
土御門晴明は言った。
「そう。この時期から準備しないとね、間に合わないらしいの」
そう言って苦笑いしたのは、桜井真由だった。真由はくりっとした大きな目、繊細な鼻梁、桜のような唇と、可愛い。そして華奢だ。
ここは生徒会室。四季高校の生徒会は変わっている。
一学年ごとに、正副委員長がいるのだ。風紀委員会、文化委員会、体育委員会、放送委員会、図書委員会、保険委員会、環境衛生委員会。
そして会計、書記、副会長、生徒会長。
副会長と生徒会長は一人ずつ。
つまり合計で二十人いるわけだ。
普通は委員長が二年生で、副委員長が一年生であるものだ。
生徒会長の選挙が十月にあって、生徒会長だけが先に決まることになる。残りの正副委員長は春ごろに決まる。生徒総会のある五月ごろには、もう全員決まっているという寸法だ。
活動は主に二年生。だから後輩は前に何が行われていたか知らない。たとえば、文化祭や体育祭の準備はどう進めるのかとか。
そこで作られたのが『年間活動報告』だ。これにすべき活動の記録がある。それを参考に、執行部は代々活動をやってきた。
今年は異例らしく、三年生が二年生の活動を手伝ってくれている。いや、引っ張ってくれている。晴明たちの一学年上の先輩達がもっとも活動が活発で、先生達に評価されていた。
その中心が三年年年七組の荒牧省吾先輩だ。
特別クラス、つまり成績のいい生徒達が集まったクラスにいる。
省吾先輩はアーモンド形の大きな二重の目で、めがねをかけた美形だった。
ついでに言うと、生徒会執行部はなぜか、部活動に入っている。
四季高校の一般生徒にはあまり活発と思われていないらしい。やっているのかやっていないのかわからない部活、らしいのだ。
これではやっているほうは報われない。
桜井真由はその文化副委員長で、三年生の先輩達ともに文化祭の準備を進めている。
季節はまだ四月なのに、六月にある文化祭の準備をもうしているというから驚きだ。文化委員長の高松夕日先輩に言わせれば、「それでも時間が足りない」らしかった。
実は晴明達が入ってくる前から、準備を進めていたらしい。
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