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真由は執行部の二年生の中でも古株で、一年生のときから執行部にいる。もともとは文化委員をしていて、先輩達の目にとまって執行部に入ったらしい。
こんなに忙しそうのに、二年生の委員長はまだ決まっていないらしい。
文化正副委員長を助けるために文化祭実行委員会がある。校内装飾、校外装飾、パンフレット、渉外、机脚、生徒会企画、弁論大会、バンド、クラコン(クラシックコンサート)、CM、暗幕、予算、警備、放送、図書、保健などなど。
文化正副委員長がする仕事に、各学年企画要項作成、クラコン募集要項作成、CM撮影募集要項作成などなど。
これは作成するだけでなく、文化委員会を開いて企画書を配布し、クラスで話し合いをさせ、企画立案、企画書回収、企画書の検討・決定、準備、をしなければならない。
地味に見えて活動していないように思われるが、実は多忙なのだ。
そんなある日。
「先輩、みんな!」
真由が、生徒会室に笑顔で入ってきた。よほど急いだのか、汗で前髪が額に張り付いている。
「どうしたの?」
そこにいた全員が真由の方を向いた。
そこにいたのは真由だけではなかった。もう一人、知らない女の子を連れてきていた。
「誰?」
省吾先輩が聞いた。皆も不思議そうな顔で見ている。
真由は注目されるなか、笑顔のまま言った。
「あのね、この子、村瀬由香ちゃんって言うんだけどね、文化委員長になってくれるって」
真由がなんで副委員長かというと、委員長になって表だたなくていいし、真由がそそっかしいのを皆が認めていたからだ。
真由では委員長はやれないだろう、残酷ながらそういう理由で副委員長になったのだ。
真由も自分でおっちょこちょいなのを認めているので、素直に副委員長になったらしい。
真由が言って、皆が騒ぎ始める。
「それ本当?」
省吾先輩が、皆が驚く。
真由が連れてきた少女、由香は少し緊張した顔でうなずいた。照れてもいるようだ。そして少し、嫌がっている雰囲気もあった。
それもそうだ。生徒会なんて忙しい部活に、進んで入る人間なんか滅多にいない。ここにいる人たちも、だいたいは嫌々ながら入ったらしい。
ある先輩なんか、いきなり先輩達数人に囲まれて、「生徒会に入ってくれない?」と言われたらしいのだ。先輩数人に囲まれて、嫌ですなんて人間がいるわけない。
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