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「そう、そうなのよ」
男子生徒の質問を受け答えしながらニタニタして奏は脳内でナレーションをながす。
構想(妄想)10年。
鬼才、五十嵐奏が満を持して放つ空前絶後のベストセラー。
学園中の生徒が感動と2人の仲を祝福した、ナオと奏のピュアラブストーリーが遂に封を切られると。
だけどもナオの了承があって成立する事だから、奏が実際に描いたシナリオは……こんな風に鎮火出来ない噂になってしまってどうすんの!?
責任を取れ!
等と強引かつ、無計画にも程がある無謀極まりない、なし崩し的ザルな謀で奏はナオとの仲を押し進めるつもりだったのだ。
だが、当人の意思に反し、周りが勝手に奏を擁護をしだして奏の目論みが、脳内ストーリーが逸れ出した!
「昨日五十嵐さんがそんな事をしたってのは、恥を忍んで相沢直弥と自分は関係ないとアピールしたかったんだよね?」
「…………へ?」
「そうそう、じゃなきゃ五十嵐さんみたいな人が、あんなマネをする訳がない」
「はいぃぃ?」
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