乾杯

4/42
152人が本棚に入れています
本棚に追加
/190ページ
 「奏、何故こんな事まで?」  観音開きになったシャツの代わりに自分の手で晒された身体を隠し、ナオは奏に訊ねるが、その問いに答えない。  それからカチャカチャと、金属音がナオの耳に入って来た。  ジィィーー  そんな音までも。  「何を? 奏、かなでヤメロォォォォォ」  絶叫と共に、ナオの最後の砦まで、奏に剥ぎ取られた!  「さぁ、観念しなさい」  邪悪な笑みを浮かべて奏は、本皮のみとなったナオに覆い被さった。  その様子を知ってか、庭に咲いていた椿の花が1輪、ポトリと落ちる。
/190ページ

最初のコメントを投稿しよう!