乾杯

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 またこのパターンか! と、今までの奏ならキレて1人芝居を始めていたところだが、その度にカレンに恥ずかし過ぎる失態を見られていたから、ベッドの上から奏は部屋を見回す。  カレンが居ない事を確認して奏は時計をみる。  「まだ3時か……」  起床予定まであと4時間もある事を知り、奏は枕を抱きしめて呟く。  「昨日は良かった。詩織先輩の弱味だけじゃなく、貸しを作り、しかもナオと噂になるよう種蒔きをしたし……アレがどんな風に…………朝が待ち遠しいわ」  枕に顔を埋め、善からぬ笑みを浮かべ、蒔いた噂の種がどんな風に発芽するやら、奏は楽しみで仕方がないようだ。  それから奏は微睡んで行き、ナオと学園中の公認のカップルになった夢を見たが、しかし世の中は、皮肉で出来ている事を思い知らされるのだった。
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