1.憧れのデパート

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あれから、何年も経ったけれど、未だ中心街に活気は無い。 残った店主も高齢となり、店がどんどん閉って行く・・ あの時のスーパーの周りに、「町」ができ、更に近くに、もっと大きなショッピングモールやらDIYと地元スーパーが提携した商業地が開かれている。 優良な田んぼが埋め立てられ、飲食店街や新興住宅地が開かれている。 日曜、休日になると、方々から車で訪れる客でごったがえす。 市街地にもコンビニが開店し、競争はますます激化しているようだ。 もはや、駅前など眼中には無い。 大規模店舗対大規模店舗。 コンビニ対コンビニ、 その相手に駅前商店街の名前なんて出てこない。 そして、昔、子供の憧れだった「夢」のデパートが閉店した。 「長く可愛がって頂き、誠にありがとうございました。」 シャッターの閉る向こうに、女性の店員が最後まで笑顔で手を振っていた。 デパートの去って行った残りの建物は、地域のコミュニティー施設として再出発しているが、来客数は限りなく無に近い。 「求心力」を失った中心市街地は、いったい、どうなってしまうのだろう? シャッター街と化して、さらにその建物までも取り壊され、駐車場だらけになってしまうのだろうか?? 駅前は、その「街」「市」の「顔」のはずなのに・・・
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