第2章

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配属されて、2週間ほど。 同じ部署のメンバーの名前もおぼえ、企画室の雰囲気にも慣れた頃、僕の歓迎会がひらかれた。 主賓といえど、新人の僕は、部長はじめ、出席いただいた先輩方にお酌してまわった。 「佐藤君、そんなに気を使わないでいいんだよー。」 牧瀬さんはそう言うけど、僕は一通りの人にお酌し、挨拶をしてから席についた。 僕の席は部長と牧瀬さんの間だった。 席につくと、さっそく部長から聞かれた。 「佐藤君、仕事はどう?」 「はい。牧瀬さんに助けられながら、なんとかやってます。」 「そうか。牧瀬君は若いのに優秀だからね。牧瀬君のいいところを全部盗むといいよ!」 「はい!」 そんな話をしていると、隣から牧瀬さんが入ってきた。 「部長、そんな褒めてもなにも出ませんよ?」 そんな軽い会話を交わしながら、企画室のメンバーとの時間を楽しんだ。 「そういえば、牧瀬さんは何歳なんですか?」 ふとした疑問を口に出してみた。 「ん?今年25になるよ。」 へ?見た目若そうだとは思っていたが、本当に若かった! 「ってことは、僕と2歳差ってことですか?」 「そうなるね。入社3年目だから。」 僕も2年後こんなに落ち着いて、みんなに頼りにされるような社会人になれるのか、少し不安になっていた。
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