第3章

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週明けの月曜日、一番の仕事は先輩方に謝ることだ。 「金曜日はすいませんでした!ご迷惑をおかけしました。」 そう言って頭を下げると、ほとんどの先輩方は 「酒の席だから。それに迷惑がかかったのは、牧瀬一人だよ。」 なーんて言ってくれる。 牧瀬さんも 「もう終わったことだから、いいんだよ。」 なんて優しいこと言ってくれるから、張り切って仕事し始めることにした。 「佐藤君、今日は午前中にシューズの素材メーカーさんと打ち合わせが入っているから、一緒に出て。あと、会議室って今から取れるかな?」 牧瀬さんがそう言ってきたので、社内システムで検索し 「5番が空いてます。」 そう告げると 「ありがと!」 と、飛び切りの笑顔でお礼を言われた。 ドキッ!! 何だ!? 今、ドキッとしたか? あんな風にキスされた(かもしれない)から意識してしまっているのか? とりあえず、赤いかもしれない顔を隠すため、僕はパソコンに向かって仕事するフリをした。
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