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次の日は、早く帰りたがった牧瀬さんと一緒に、朝飯も食べずにとーやのマンションから出てきた。
結局、あのキスのことは聞けずじまいだった。
ただ、なぜあんなことしたのか、聞きたいような聞きたくないような、複雑な気分だった。
牧瀬さんとは帰る方向が一緒だったので,一緒の地下鉄に乗った。
休日の朝の地下鉄は割りと混んでいた。
「休みでもけっこう人いるんですね。」
「あ、そうだね。確かに。」
牧瀬さんは、朝からテンションが低かった。
飲みすぎたのか、調子が悪いのか。
「牧瀬さん、大丈夫ですか?」
「あ、うん。問題ない。」
問題なくもないと思うけど。
僕たちはそれ以上の会話をせず、それぞれの家に帰った。
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