第2章

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僕は昔から靴が好きだった。 しかも、サッカーシューズ。 サッカーをするわけでも、サッカー選手にあこがれているわけでもない。 ただ、個性的なデザインでありながら、緻密に計算された機能、グラウンドをかむように走り回り、硬いボールを蹴る。 全てが芸術で、僕の興味をすべて持っていかれた。 自分で新しい靴を作りたい、ただその一心でこの会社に応募した。 そんな話を面接にしたからだろう、商品企画室に配属になった。 「佐藤裕也です!よろしくお願いします!」 配属初日、同じ部署に配属された同期はいなかったため、あっさりとあいさつは終わった。 そして、早速部長に呼ばれ、僕の教育を担当してくれる先輩を紹介された。 「牧瀬君です。わからないことや困ったことがあれば、なんでも牧瀬君に相談してください。」 「牧瀬幸太です。教育係ってはじめてだから、こちらこそよろしくね。」 そう言いながらニコッと笑ったものすごいイケメン。 背は180くらい、栗色の髪。 ひげって知ってます?と言いたくなるほどつるりとした肌、これぞ切れ長と言いたくなる目。 男の僕でも見ほれてしまうほどのすごいイケメンが僕の教育係になった。
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