第2章

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「じゃ、ランチ行こうか!」 そう誘われて行った社員食堂。 女性社員の視線が僕たちに集まる。 牧瀬さんとそろって日替わり定食を頼み、席について早々、 「佐藤君てさ、イケメンだよね。みんな見てるよ?」 壮絶イケメンの牧瀬さんはそう言った。 ・・・はい? 確かに、背は175センチ、顔だってそんなに悪くはないと思う。 高校から大学にかけては、それなりに女の子から声もかけられたし、そのうち数人とは付き合ったりした。 だが、どう見たってこの視線はすべて牧瀬さんのものだと思う。 牧瀬さんは僕をおちょくっているのか? 一瞬そう思ってしまったが、どうやら、牧瀬さんは本気で、この食堂の視線の先が僕だと思っているらしい。 僕が入社する前はどうだったんだよ!!と突っ込みたくなったが、なんせ相手は先輩だったのでひかえた。 「いや、ここの人達はみんな牧瀬さんを見ているんですよ。」 そういうと、 「そんなことないよ!だって誰とも目があったりしないから。」 そんな言葉が返ってきた。 そりゃ、目をそらしてるからだろ!と再び突っ込みたかったが、あ~、この人、天然入ってるんだ、そう思って解決することにした。
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