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たとえばこんな状況に遭遇したとしよう。
通学途中でこんな風に声をかけられたとする。
「あなたは神を信じますか?」
そうだな想像的には、変な宗教に嵌ったおば様あたりを想像するのがベストだ。
背景まで掘り下げるならそのおば様には、不治の病を抱えた孫がいる。なんて設定があれば文句なしだ。
さあ、ここでクエスチョン。
この場合なんて答えるのが正解か?
その盲信者? 迷える子羊? もしくはオカルトマニア? はたまた孫思いのおばあちゃん?
そんな人物にどのような返答をするのが正しいか。
そんなの決まってる。答えは、一つ。
俺は、胸を張り堂々と言ってやるね。
「あ、すいません。今急いでるので」
この返答がベスト。
完璧だ。
とまあ、ここまでの話は、当然俺の妄想であり空想なわけで。
見てみるべきは、現実だ。
鶯の鳴き声がようやく本調子を迎える頃合い、正月にもらったお年玉がいい具合に春の雪解けのごとく懐からなくなってしまいつつある昨今。
時は新学期である。
学業に身をやつし続け今回で十二回目の新学期。
特に感慨なんてこじゃれた物を持つことなんてなく俺は、高校二年に進級を果たした。
までは、よかった。
俺の新しい席後方から聞こえる憂鬱そうな声。
そんな言葉を聞いてしまったことが間違いだったのだと今は、後悔するね。
「人生ってなんなのかしら」
因みに俺は、神なんてもの信じてはいない。
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