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「何にせよ。本当の両親がわかるのはいいことだ。これで、お前の身元が判明するのだから」
父は私の頭を撫でると、着替えるために台所を出て行った。
私は朝食を終え、父が仕事に行ってしまうと、残りの家事を済ませた。
午前中にやることを終えると、特にやることもないので、昨日の本の続きを読むことにした。
この本の主人公に文句を言いつつも続きが気になるのは、内容が気に入ったということなのかもしれない。
私は昨日と同じ、お気に入りの縁側に座って、本を開いた。
今日も気持ちの良い風が吹く、秋晴れの空だった。これなら洗濯物も早く乾くだろう。
本に挟んでいた栞を取ると、ちょうど、主人公が仲間と空を眺めている場面だった。
この主人公は、どんなことがあっても常に前向きだった。
私もこうなれたらいいのに。と思う。
例え、これから先、記憶が戻らなくても、前向きに生きられるように……。
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