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――三日後――
「じゃあ、いってきます!」
漸くベッドから出られたソラは、決意を新たに、家を出た。
ソラが魔法学園に行くために、やらなければならない事は多い。
特待生になるためには、只でさえ難しい試験の全てにおいて、好成績を出さなければいけない。
魔法学園の試験は大きく分けて四つ、学力・魔法・戦闘・持久力の試験だ。
三つ目まではいいとして、入学試験で持久力の試験がある学園は珍しい。
これは魔法学園の卒業後の進路に、戦闘職が多いからである。
戦闘職に就く者には、戦う為の持久力はもちろんだが、逃げる為の持久力も必要とされる。
もし、イレギュラーなどが起きた場合でも、生きて逃げ帰り、危険を伝え、より強い者を応援に呼ぶ必要があるからだ。
閑話休題
そういうわけでソラは、学力・魔法・戦闘・持久力の四つを鍛えなければならない。
幸いにも、環境は既に整っている。
学力は、村長であるカダールに本を貸して貰えばいい。
カダールは本の収集が趣味であり、彼の家には大量の本がある。
ソラは伏せる事が多いため、暇潰しの為によく彼に本を借りており、本を雑に扱わない事は知られているので、今回も快く貸してくれるだろう。
魔法は、村がある山の奥に住んでいるマリアと言う老婆に教わる予定だ。
彼女はこの辺りでは数少ない、魔法を使える人物で、ソラを気に入っているので、頼めば喜んで教えてくれるだろう。
なんでも、魔力が気持ちいいとかで、希に村にやって来てはソラと共に昼寝をしている。
戦闘は、クラウドの仕事仲間である、ノイスという人物に頼むことになっている。
彼は普段から、この村の子供を集めて稽古をつけており、既に許可も貰っている。
持久力に関しては、マリアの家に通う事で勝手につくはずだ。
彼女の家に行くには、約十キロの険しい山道を通る必要がある。
彼女自身は魔法で移動しているので問題ないが、ソラにとっては良い訓練になるだろう。
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