第1章 翼を広げて

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そういうわけで、ソラのやる事はだいたい決まっているのだが、今から向かうのは、そのどれにも当てはまらない。 ソラが向かおうとしているのは、隣の家に住むドワーフの二人組、バトとジオの所だ。 バトは鍛冶師でジオは研師である。 ソラがそこに向かおうとしているのは、午前中は学園の事は考えずに過ごせとクラウドに言われたからだ。 クラウドは、ソラが前向きに進もうとしている事は嬉しかったが、ソラの性格上、詰め込み過ぎてしまうと考えたのだ。 不安そうな顔をするソラに、試験は毎年あるのだから、もし受からなければ、もう一年やればいいと告げた。 時間はたっぷりあるのだからと。 クラウドの予想通り気をはっていたソラは、肩の力を抜いて程々に頑張ろうと思う事ができたのだ。 そんなこんなで、午前中暇になってしまったソラは、以前から興味を持っていた鍛冶屋の手伝いをすることにした。 しかし、二人とソラの仲は良いのだが、鍛冶屋の仕事は難しく、ソラが手伝わせて貰えるかどうかはまだわからない。 だから今日は、手伝わせて貰えるよう、二人に頼みに行く予定なのだ。
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