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焦りつつ吹き出したコーヒーを拭きながら、話題を変えようと俺は八神君に質問を投げた。
「そう言えば八神君こそ、あんな時間に何してたの?」
「ああ…俺、キャバで黒服のバイトもやってるんで」
「え?」
「俺、身内がいないんっすよ。だから学費も自分で稼がないとだから」
「…そうなんだ…。失礼な事聞いてゴメン」
申し訳なく感じて頭を下げた俺に八神君はクスッと笑った。
「でも俺は片桐さん結構好きっすよ」
「え??」
「仕事に対する姿勢とか、彼女をすごく大切にしてるトコとか」
「……………」
「だってケータイの待ち画、彼女でしょ」
…無性に恥ずかしかった。
年下の八神君にそんなことまで気づかれていたことが。
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