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「俺が…いない間にここから消えて」
「……………」
「もう二度と…俺も絵里の前には現れないから」
そう言って琉惺はベッドルームから出て行った。
途端に溢れ出した私の涙。
どれだけ拭ってみてもそれは止まらなくて。
ごめんね琉惺。
こんな女でごめん。
サイドボードに置きっぱなしだった携帯を手に持って、私はあの人へメールを送った。
『もう二度と、あなたには抱かれません』
それが私の最後のプライドだったんだ───。
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