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でも…やっぱり急すぎるよ。
さっき、テレビのブラウン管の中で行われていた卑劣な行為…あんなこと出来る自信がない。
「駄目?空」
私の腕を掴む太陽の手に力が入る。
「駄目…だよ…まだ早すぎるじゃん…」
太陽の顔をチラチラと窺いながら、小さく言った。
太陽のことは大好きだし、いずれかはそうなることを私も望んではいるが、今ではない。
私の我儘なのだろうか。
太陽はそんなに私を求めているのだろうか。
それともただの好奇心なのだろうか。
ごちゃごちゃに入り混じった感情で頭がおかしくなりそうだ。
「空…俺、今どうしても空が抱きたいんだ」
今にも消え入りそうな太陽の切実な声。
「今じゃないと駄目なの…?私はもっとゆっくり時間をかけて太陽を知っていきたいよ」
訴えるように言葉をふり絞った。
「駄目なんだ…今じゃないと…空お願い」
お願いって…
太陽のお願い、本日二度目なんですけど。
そんなこと、急にお願いされても流石にYESとは言えないよ。
それに、今じゃないと駄目ってどういうこと?
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