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暖め続けた思いは、ずっと胸に秘めたまま、良い思い出にするつもりだった。
でも、卒業間近になって、どうしてもこのまま彼女のさよならするのが耐えられなくなって、悩んだ末、俺は思い切って美杉の連絡先を訊ねた。
そのために、偶然を装って、駅で彼女を待ち伏せ、同じ電車の同じ車両に乗り合わたことは秘密だ。
見事美杉の連絡先をゲットすると、俺たちはメールをするようになった。
なんてことないくだらない内容のメールに、いちいち胸を躍らせた。
メールボックスに美杉の名前が増えていく事が幸せだった。
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