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「わ、私は…太陽が好き…
太陽が…どんな姿になろうと…私は太陽から離れないっ!」
言いながら、大粒の涙が頬を流れていく。
「空ちゃん…」
おばさんは掠れた声で私を呼ぶと、涙で睫毛を濡らしていた。
暫く沈黙が続き、私とおばさんの涙の吐息だけがリビング内に小さく響く。
「空ちゃん…本当にありがとね…
空ちゃんのその気持ち、おばさん本当に嬉しいわ。
これから、太陽は日常の些細なことがどんどん困難になっていく。
傍にいる空ちゃんも大変になっていくと思う。
それでも、あの子の傍にいてくれるかしら…?」
おばさんは涙をポロポロと零しながら言う。
「はい…どんなに辛くても…私はずっと太陽の傍にいます…私がっ…太陽を必要なんです」
私も負けじと、大粒の涙を流しながら声を絞り出した。
「あの子昔から弱音を吐かない強い子だったけど、流石に今回は違うと思うの。
だから、あの子、これからは空ちゃんにももしかしたら、辛くあたってしまうことがあるかもしれない。
それでも、空ちゃんが傍にいてくれたら、あの子頑張れると思うから…宜しくね?空ちゃん」
おばさんはグッと涙を手で拭い、白い歯を見せた。
「はいっ」
そして、私は優しい安堵に包まれながら、おばさんと静かに紅茶を飲みほした。
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