10

10/13
前へ
/31ページ
次へ
「嘘だっ!」 そんな嘘、どうして言うの? 「う…そ…じゃない」 「嘘っ!嘘、嘘、嘘っ! 愛してるって…空愛してるって、さっきまで言ってくれてたじゃないっ! そんなこと言っても、私は毎日来るからっ!」 お願いだよ… 太陽、私を捨てないで… 太陽の病気がわかった時、私はあなたをずっと支えていくと決めた。 太陽と未来を築いていきたいよ。 後悔なんて、これっぽっちもしていない。 私は諦めない。 「そら…も…かえって」 それでも、太陽は応えてくれなかった。 私を冷たく突き放したんだ。 私は泣きながら病室を出ると、力なくその場に崩れ落ちた。 太陽が居なくなった3年前のあの日。 太陽を失った、あの日。 忘れかけていた、あの時の絶望が蘇る。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

35人が本棚に入れています
本棚に追加