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2ヶ月前は支えがあれば、かろうじて歩けた太陽。 もう歩くことすら出来ないの…? あまりに残酷な現実に、さっきの波よりも冷たい涙が頬を伝う。 数分、泣いていただろうか。 ゆっくりと顔を上げると、ベッドの上で悲しげに私を見つめる太陽の姿があった。 私を抱きしめたくても出来ない。 声を掛けたくても出来ない。 太陽は、どんなにもどかしいだろうか。 どんなに歯がゆいだろうか。 どんなにっ… 苦しくて、悲しいだろうか… あぁ、そうか… 太陽は今のこんな姿を、私に見せたくなかったんだね。 私が泣いていても、声を掛ける事も、抱きしめる事も出来ないんだもんね。
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