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不思議と涙は出なかった。
太陽は、泣き虫な私の涙を天国へと一緒に持っていってくれたのだろうか。
もしも太陽が病気にならなかったら、私達にはどんな未来が待っていたのだろうか?
輝かしい明るい未来が待っていたのだろうか?
私は…
闇の中にいる。
ただひたすら、漆黒の闇の中にいる。
太陽が死んだあの日から、出口の見えない暗い闇の中を一人彷徨っている。
その日から、私は自分の気持ちに、自分の記憶に鍵を掛け、心の奥の奥にしまい込んだ。
もう、何もいらない。
何も欲しくない。
何もしたくない。
何も考えたくない。
大学も行くのを辞め、部屋に閉じこもる日々が続いた。
太陽のところへ行きたくて、死に場所を探して彷徨ったこともあった。
それでも、意気地のない私は未だに息をしている。
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