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そんな時、ふと思い出した言葉があった。
――久方の天つみ空に照る月の失せなむ日こそ我が恋止まめ
私の17歳の誕生日の日。
私に誕生日プレゼントだと、このストラップを買ってくれたあの日。
帰りの電車の中で、太陽がボソっと言った万葉集の詩。
あの意味は、なんだったんだろう…
太陽が居なくなった今、あの言葉の意味を調べて何か意味があるのだろうか。
太陽は、私に何を伝えたかったんだろうか。
私はベッドから重たい身体を起こし、パソコンで意味を調べた。
カーテンを閉め切った暗闇の部屋に、パソコンの青白い光が灯る。
“久方の天つみ空に照る月の失せなむ日こそ我が恋止まめ”
打ち込んだ瞬間に、その意味が画面に表示された。
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