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いくら、呂律のまわっていない太陽の言葉でも、毎日一緒にいる私が聞き間違えるはずがない。
私の腕を必死に掴み、私の顔を覗き込む太陽。
そして、わずかな力で私の腕を引っ張り、ベットへと誘導する。
太陽がこの病院に入院するようになってから、約3ヶ月。
そういうことは、一切していなかった。
いや、出来なかったというのが正しいだろう。
キスは毎日しているが、それ以上のことはお互い望まなかったから。
そりゃ、私だって太陽とまた一つになれたらって、思う時は沢山あった。
太陽の温もりを肌で感じたい。
太陽のその腕に、また包まれたい。
太陽と…
一つになりたい。
でも、キス以上のことは怖くて出来なかった。
だって、太陽が壊れてしまうかもしれない。
でもね。
本当は、それよりも何よりも、自分が壊れてしまいそうで怖かったんだ。
あの温もりを、あの心地よさを、あの幸せを、もう一度味わってしまったら、もっともっと欲張りになってしまいそうで。
抑えていた欲望が爆発してしまいそうで、怖かったんだ。
でも、私の腕を掴むあなたの手が、無性に温かくて、恋しくて堪らなくなる。
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