10

5/13

35人が本棚に入れています
本棚に追加
/31ページ
太陽の”抱きたい”の一言で、私の高ぶるあなたへの思いは既に決壊ギリギリだ。 そして、私は自分の欲望に負け、太陽と一つになることを選んでいた。 「そら…あいしてぅ」 額に汗を浮かべ、その澄んだ瞳には薄ら涙を浮かべ、私を見上げながらそう囁く太陽。 こんなにも、人を恋しいと思ったことがあっただろうか。 胸が熱くて、焼け焦げてしまいそうだ。 恋しくて恋しくて恋しくて… いつまでも、こうやって抱き合っていたい。 ずっと、ずーっと、あなたと一つになっていたいよ… 私の下で顔を歪める太陽の目尻から、汗なのか、涙なのかわからない水滴が、ゆっくりと頬を伝い枕にシミを作る。 あぁ、太陽… ――「愛してる」
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

35人が本棚に入れています
本棚に追加